ホワイトニング・歯

セルフホワイトニングと歯科のホワイトニングの違いは?

歯科のホワイトニングは過酸化物で歯そのものの色を漂白する処置、サロンのセルフホワイトニングは歯の表面の着色を落とすケアです。目的・行う人・使うもの・注意点の違いを、日本歯科審美学会と国民生活センターの資料で整理します。

公開日:ESTHERA編集部

「ホワイトニング」という言葉は、歯科医院の広告にも、歯磨き粉のパッケージにも、サロンの看板にも出てきます。値段も通い方も大きく違うため、「結局どちらを選べばいいのか」と迷う人は少なくありません。この記事では、日本歯科審美学会と国民生活センターの資料をもとに、歯科のホワイトニングとサロンのセルフホワイトニングの違いを整理します。

そもそも「ホワイトニング」は2つの意味で使われる

日本歯科審美学会は、ホワイトニングを次のように説明しています。

  • 広い意味:歯に付いた汚れや着色を取り除くクリーニングも含めた、歯を白くする処置の総称
  • 狭い意味:歯の漂白(ブリーチ)だけ

国民生活センターの広報誌に学会の歯科医師が寄せた解説では、日本で歯磨剤やセルフホワイトニングサロンなどが使う「ホワイトニング」という表現は、歯の表面の着色を除去することを意味しているとされています。つまり、同じ言葉でも、歯科の漂白とサロンの表面ケアは指している内容が違います。

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項目歯科医院のホワイトニング(漂白)サロンのセルフホワイトニング
目的歯そのものの色を漂白する歯の表面に付いた着色を落とす
行う人歯科医師・歯科衛生士(ホームホワイトニングは歯科医師の指導のもと本人が行う)利用者本人が行う形式が一般的(内容は店舗ごとに異なる)
使うもの過酸化水素・過酸化尿素などの過酸化物を主成分とする薬剤店舗ごとに異なる。契約前に確認する
事前の診察歯科医師の診察・検査を受けたうえで方法を決める診察は行われない(医療機関ではないため)

日本歯科審美学会によると、歯の漂白の効果が学術的に認められている方法は、いずれも過酸化物からなるホワイトニング剤を使うものです。この薬剤は医薬品医療機器等法上、医療用具(歯科材料)とされ、歯科医師または歯科衛生士の資格を持たない人が使って施術することは違法とされています。歯を漂白するのは、資格のある人が行う歯科の処置に限られる、ということです。

歯科のホワイトニングにはどんな種類がある?

学会の解説では、神経が生きている歯には次の2つの方法があるとされています。

  • オフィスホワイトニング:歯科医院に通って受ける方法。一般に濃度3.5〜35%の過酸化水素を主成分とする薬剤を使い、光の照射を併用して短時間で効果を得る
  • ホームホワイトニング:歯科医師の指導のもと、歯型を取って作ったマウスピースに薬剤を入れ、自宅で毎日数時間装着する方法。薬剤の主成分は10%・16%の過酸化尿素や6%の過酸化水素など

神経を取る処置をした歯の変色には、歯科医師が歯の内部に薬剤を入れて数回に分けて行う方法(ウォーキングブリーチ)もあります。ただし漂白の効果は歯によってさまざまで、すべての変色した歯が改善するわけではないと説明されています。

歯科のホワイトニングで知っておきたい注意点

歯を漂白する処置には、それなりの注意点があります。国民生活センターの解説では、次の点が挙げられています。

  • 知覚過敏:薬剤が歯質に浸透するとき、歯の中の神経を刺激して、冷たいものが一時的にしみることがある。起きたらすぐ中止して歯科医師に相談する
  • 色の後戻り:漂白した歯の色はいつまでも保たれるわけではなく、生活習慣や嗜好品、セルフケアの状況によって徐々に戻る。定期的な受診が勧められている
  • 施術直後の飲食:オフィスホワイトニングの後およそ24〜48時間は、コーヒー・お茶・赤ワイン・カレーなど色の濃い飲食物を控える
  • 受けられない人:過酸化水素を分解する酵素を持たない無カタラーゼ症の人は禁忌。妊娠期・授乳期は避けるべきとされ、小児は原則行わない

こうした点があるため、学会は「施術前に歯科医師の診察・検査を受け、方法や効果、リスク、副作用の説明に納得したうえで受けること」を重要としています。

サロンのセルフホワイトニングが向くのはどんな場合?

サロンのケアが対象にするのは歯の表面の着色です。コーヒー、お茶、赤ワイン、タバコなどで歯の表面が着色するのは、外因性の着色と呼ばれます。日々の習慣で付いた表面の着色が気になる、という場合が、サロンのケアの想定範囲です。

一方で、次のような場合は、サロンのケアでは対象になりにくいものです。

  • 遺伝性・代謝性の病気、歯のけが、化学物質や薬剤などで、歯そのものが変色している(内因性の変色)
  • 被せもの・ブリッジ・入れ歯が変色している(クリーニングでは改善が難しい場合が多く、作り直して色を合わせる方法がとられる)

歯の色を元の色より白くしたい場合や、歯自体の変色が気になる場合は、まず歯科医院で相談するのが基本です。

どちらを選ぶか:目的で分ける考え方

選び方は「何を変えたいか」で整理できます。

  1. 1歯そのものの色を変えたい/歯自体の変色が気になる:歯科医院で診察を受け、方法を相談する
  2. 2コーヒーやお茶などによる表面の着色が気になる:日々の歯みがきに加え、表面の着色を落とすケアを検討する(歯科医院でも、専用の器具で表面の着色を除去できるとされています)
  3. 3痛み・しみる・歯ぐきの腫れなどがある:ホワイトニングの前に歯科医院へ

なお、歯科でもサロンでも、着色しやすい飲食物や喫煙の習慣が続けば、歯の色は元に戻りやすくなります。着色の原因については「男性の歯の黄ばみはなぜ起こる?」、サロンのセルフホワイトニングの位置づけは「セルフホワイトニングとは?」で整理しています。

よくある質問

セルフホワイトニングで歯そのものは白くなりますか?

サロンのセルフホワイトニングは、歯の表面に付いた着色を落とすケアを指すのが一般的で、歯そのものの色を漂白するものではありません。着色が落ちたときの見え方には個人差があります。歯そのものの色を変えたい場合は、歯科医院で相談してください。

歯科のホワイトニングは誰でも受けられますか?

いいえ。学会の解説では、過酸化水素を分解する酵素を持たない無カタラーゼ症の人は禁忌とされ、妊娠期・授乳期は避けるべきで、小児は原則行わないとされています。また、呼吸器疾患や光線過敏症の人はオフィスホワイトニングで注意が必要です。事前に歯科医師の診察・検査を受けてください。

歯科でホワイトニングをすれば、白さはずっと続きますか?

続きません。漂白で得られた歯の色はいつまでも保たれるわけではなく、生活習慣や嗜好品、セルフケアの状況によって徐々に戻る(色の後戻り)とされています。施術後の一定期間は着色しやすい飲食物を控え、定期的に歯科医院を受診することが勧められています。

歯科医院でも表面の着色は落とせますか?

はい。国民生活センターの解説では、歯科医院では専用の器具を使って、歯の表面の着色を効率的に除去できるとされています。

被せものや差し歯の変色は白くできますか?

被せもの・ブリッジ・入れ歯の変色は、クリーニングでは改善が難しい場合が多く、作り直して色調を合わせる方法がとられます。この場合は歯を削る必要があります。歯科医院で相談してください。

参考

#ホワイトニング#セルフホワイトニング#歯科

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